【合肥日语阅读会话课程】末摘花(すゑつむはな)の醜貌 J3
发表时间:2021-12-17 16:15 ◆ 末摘花(すゑつむはな)の醜貌 まづ、居丈(ゐだけ)の高う、を背長(せなが)に見えたまふに、「さればよ」と、胸つぶれぬ。うちつぎて、あなかたはと見ゆるものは、御鼻なりけり。ふと、目ぞとまる。普賢菩薩(ふげんぼさつ)の乗り物と覚ゆ。あさましう高うのびらかに、先の方(かた)すこし垂りて色づきたること、ことの外(ほか)にうたてあり。色は雪恥づかしく白うて真青(さを)に、額(ひたひ)つき、こよなうはれたるに、なほ下(しも)がちなる面(おも)やうは、おほかたおどろおどろしう長きなるべし。痩(や)せたまへること、いとほしげにさらぼひて、肩のほどなど、痛げなるまで衣の上まで見ゆ。「何に、残りなう見あらはしつらむ」と思ふものから、珍しきさまのしたれば、さすがに、うち見やられたまふ。 頭(かしら)つき、髪のかかりばしも、うつくしげにめでたしと思ひ聞こゆる人々にも、をさをさ劣るまじう、袿(うちき)の裾にたまりて引かれたるほど、一尺ばかり余りたらむと見ゆ。着たまへる物どもをさへ言ひたつるも、もの言ひさがなきやうなれど、昔物語にも、人の御装束をこそは、まづ言ひためれ。 ゆるし色の、わりなう上白(うはじら)みたる一襲(ひとかさね)、なごりなう黒き袿重ねて、上着には黒貂(ふるき)の皮衣(かはぎぬ)、いと清らに香ばしきを着たまへり。古体(こたい)のゆゑづきたる御装束なれど、なほ若やかなる女の御よそひには、似げなうおどろおどろしきこと、いともてはやされたり。されど、げに、この皮なうては、肌寒からましと見ゆる御顔ざまなるを、心苦しと見たまふ。 何ごとも言はれたまはず、我さへ口閉ぢたる心地したまへど、例のしじまもこころみむと、とかう聞こえたまふに、いたう恥ぢらひて、口おほひしたまへるさへ、ひなび古めかしう、ことことしく、儀式官の練(ね)り出でたる肘(ひぢ)もち覚えて、さすがにうち笑みたまへる気色(けしき)、はしたなう、すずろびたり。いとほしくあはれにて、いとど急ぎ出でたまふ。 「頼もしき人なき御ありさまを、見そめたる人には、疎からず思ひむつびたまはむこそ、本意(ほい)ある心地すべけれ。ゆるしなき御気色なれば、つらう」など、ことつけて、 「朝日さす軒の垂氷は解けながらなどかつららの結ぼほるらむ」 と、のたまへど、ただ「むむ」とうち笑ひて、いと口重げなるもいとほしければ、出でたまひぬ。
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